コールセンターのアウトソーシングを選ぶポイントとその手順
近年、顧客対応の重要性がますます高まる中、コールセンターのアウトソーシングを検討する企業が増えています。しかし、数多くのサービスが存在する中で、自社に最適なアウトソーシング先を選ぶのは容易ではありません。
本稿では、「コールセンターのアウトソーシングを選ぶポイントとその手順」と題し、アウトソーシングを成功させるための重要な選定ポイントとその手順を徹底的に解説します。
コールセンターアウトソーシングの基本
コールセンターアウトソーシングとは、企業が顧客からの電話応対業務(受電・架電)を外部の専門業者に委託することです。自社でコールセンターを設置・運営する代わりに、専門知識やノウハウを持つ外部業者に業務を委託することで、コスト削減や業務効率化、顧客満足度向上などを目指します。
コールセンターアウトソーシングの種類
アウトソーシングには、委託する範囲や形態によっていくつかの種類があります。主な種類は以下のとおりです。
- フルアウトソーシング
オペレーター、管理者、設備など、コールセンター運営に必要なすべてを外部業者に委託する形態です。自社での負担が最も少なく、コア業務に集中できるメリットがあります。
- 部分アウトソーシング
コールセンター業務の一部(例:特定の時間帯の電話応対、特定の製品に関する問い合わせ対応など)を外部業者に委託する形態です。繁忙期や特定の業務に特化してアウトソーシングする場合に有効です。
- 人材派遣
オペレーターのみを派遣会社から派遣してもらい、管理や運営は自社で行う形態です。比較的柔軟に人員を調整できますが、管理コストは自社負担となります。
- 業務委託
管理者とオペレーターを外部業者に委託し、設備は自社で用意する形態です。人材派遣とフルアウトソーシングの中間的な形態と言えます。
コールセンターアウトソーシングのメリット・デメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
コールセンターを外注(アウトソーシング)するメリット・デメリットを解説|コールセンター構築・運営代行、業務委託、アウトソーシングならJMS
アウトソーシング先選定の重要ポイント
アウトソーシングを成功させるためには、以下のポイントを総合的に考慮して選定する必要があります。
対応業務範囲と専門性
- 自社の業務内容との適合性
問い合わせ対応、テクニカルサポート、インバウンド・アウトバウンド、特定の業界・業種への対応など、自社の業務内容に合致したサービスを提供しているかを確認します。
- 専門知識・スキル
オペレーターのスキルレベル、研修体制、対応経験などを確認します。特に専門的な知識が必要な業務の場合は、その分野に特化したアウトソーシング先を選ぶことが重要です。
- 対応時間・体制
24時間365日対応や多言語対応が可能かなど、自社のニーズに合わせた対応時間・体制を提供しているかを確認します。
- 提供チャネル
電話だけでなく、メール、チャット、SNSなど、複数のチャネルに対応しているかを確認します。オムニチャネル対応を希望する場合は、その対応能力も確認しましょう。
コストと契約条件
- 料金体系
従量課金制、固定料金制、成果報酬制など、様々な料金体系があります。自社の業務量や予算に合わせて最適な料金体系を選びます。
- 初期費用・ランニングコスト
初期導入費用、月額費用、通話料、システム利用料など、すべての費用項目を明確に把握し、比較検討します。
- 契約期間・解約条件
契約期間、解約時の違約金、契約更新条件などを確認します。
- SLA(サービスレベル合意書)
サービス品質に関する具体的な指標(応答率、平均応答時間、放棄呼率など)が明記されているかを確認します。
品質管理体制
- 研修・教育体制
オペレーターへの研修内容、研修期間、継続的なスキルアップのための取り組みなどを確認します。
- 品質管理体制
モニタリング体制、評価制度、改善策などを確認します。品質管理に関する国際規格(COPCなど)の認証を取得しているかどうかも参考にできます。
- セキュリティ対策
情報セキュリティに関する認証(ISO27001、Pマークなど)を取得しているか、データ管理体制、アクセス権限などを確認します。
- 顧客満足度調査
定期的に顧客満足度調査を実施し、品質改善に役立てているかを確認します。
システムと技術
- 使用システム
コールセンターシステム(CTI)、CRM、FAQシステムなど、どのようなシステムを使用しているかを確認します。自社のシステムとの連携が可能かどうかも重要です。
- データ分析・レポート
通話データ、顧客データなどを分析し、レポートを提供してくれるかを確認します。データに基づいた改善提案なども期待できます。
コミュニケーションと連携
- コミュニケーション体制
担当者とのコミュニケーションがスムーズに行えるか、定期的な報告や会議などが設けられているかを確認します。
- 連携体制
自社との連携体制、情報共有方法などを確認します。長期的なパートナーシップを築けるかどうか、企業文化や相性も考慮しましょう。
アウトソーシング先選定の手順
コールセンターのアウトソーシング先を選定する際、闇雲に業者を選ぶのではなく、段階を踏んで進めることで、自社に最適なパートナーを見つけることができます。以下に、選定の手順をステップごとに詳しく解説します。
ステップ1:現状分析と目的の明確化
自社のコールセンター業務の現状を分析し、アウトソーシングによって何を達成したいのかを明確にし、アウトソーシングの目的(コスト削減、品質向上など)と具体的な要件(対応業務、対応時間、必要なスキルなど)を定義します。
ステップ2:情報収集
目的が明確になったら、アウトソーシング業者に関する情報を収集し、候補リストを作成しましょう。インターネット検索や紹介だけでなく展示会などで直接見て情報収集を行うのもおすすめです。
ステップ3:提案依頼書の作成・送付
候補の中から数社を選定したら、各候補に提案依頼書を送付し、見積もりや提案を依頼します。提案依頼書には、自社の概要、現状の課題、アウトソーシングの目的、求めるサービス内容などを明確に記述するようにしましょう。
ステップ4:提案評価と絞り込み
提案内容(対応業務、コスト、品質管理体制、システム、コミュニケーション体制など)を評価します。提案内容が依頼書の内容に合致しているか、提供サービスの内容、費用、実績、セキュリティ体制などを比較検討し、評価結果に基づいて候補を絞り込みます。
ステップ5:最終選定と契約
最終的な評価に基づいてアウトソーシング先を選定し、契約を締結します。詳細な条件や契約内容について交渉し、最適な業者を選定しましょう。
選定のポイント
上記の手順に加えて、以下のポイントも考慮することで、より適切な業者を選ぶことができます。
- 業者の得意分野
業者によって得意とする分野が異なります。自社の業務内容に合った業者を選びましょう。
- 実績と信頼性
過去の実績や顧客からの評価などを確認し、信頼できる業者を選びましょう。
- セキュリティ体制
個人情報などを扱う場合は、セキュリティ体制がしっかりしている業者を選びましょう。
- 費用対効果
費用だけでなく、提供されるサービスの質や効果も考慮して判断しましょう。
まとめ
コールセンターのアウトソーシングは、企業にとって大きなメリットをもたらす可能性がありますが、選定を誤ると期待した効果が得られないだけでなく、逆に業務効率の低下や顧客満足度の低下を招く可能性もあります。本稿で解説したポイントを参考に、自社に最適なアウトソーシング先を選定し、顧客対応の品質向上と業務効率の改善を実現してください。
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