コールセンター運営でよく使われる用語20選

コラム

 

 

コールセンターでの業務は、専門用語が飛び交う世界です。オペレーター、スーパーバイザー、管理者のそれぞれが自分の役割を理解し、円滑なコミュニケーションを図るためには、共通言語である「コールセンター用語」の理解が不可欠です。本コラムでは、コールセンターで頻繁に使用される用語を厳選し、わかりやすく解説します。

 

 

インバウンド

インバウンドとは、お客様から企業や組織のコールセンターに電話がかかってくることを指します。「受信業務」や「受電業務」とも呼ばれます。インバウンドコールは、企業と顧客の重要な接点です。適切な対応を行うことで、顧客満足度向上、企業イメージ向上、売上向上などに繋がります。

インバウンドコールは主に以下の種類に分けられます。

 

・注文受付

・問い合わせ対応

・資料請求

・テクニカルサポート

・クレーム対応

アウトバウンド

アウトバウンドとは、コンタクトセンター(コールセンターを含む)から顧客または見込み顧客に対して電話をかける業務です。「発信業務」や「架電業務」とも呼ばれます。企業側から積極的に顧客にアプローチすることで、様々な目的を達成する有効な手段です。

アウトバウンドコールは主に以下の種類に分けられます。

 

・商品・サービスのご案内

・フォローアップ

・アンケート調査

一次対応/二次対応

一次対応

顧客からの電話やメール、チャットなど、最初のコンタクトに対応する業務です。オペレーターが最初に顧客と接点を持ち、問い合わせ内容のヒアリング、簡単な質問への回答、情報提供などを行います。顧客対応の最前線であり、顧客満足度に大きく影響する重要な役割を担っています。

二次対応

一次対応で解決できなかった問い合わせや、より専門的な知識や対応が必要な場合に対応する業務です。一次対応のオペレーターから引き継ぎ、スーパーバイザーや専門知識を持つ担当者、または上位部署などが対応します。

エスカレーション

エスカレーションは、段階的に上位の担当者や部署に事案を引き継ぐことを意味する言葉です。コールセンターにおいては、オペレーターが自身の権限や知識を超えた問題に直面した際に、スーパーバイザー(SV)、管理職、または専門部署などに問題を報告し、対応を引き継ぐことを指します。

エスカレーションが必要になるケースは以下のようなものがあります。

 

・オペレーターの知識不足:問い合わせ内容が専門的で、オペレーターが十分な知識を持っていない場合

・オペレーターの権限外:顧客からの要求がオペレーターの権限を超えている場合(例:大幅な割引、特別な対応など)

・緊急性の高い問題:顧客の安全に関わる問題や、早急な対応が必要な問題

VOC (Voice of Customer)

コールセンターにおけるVOC(Voice of Customer)とは、「お客様の声」を意味し、顧客から寄せられるあらゆるフィードバックのことです。具体的には、電話での問い合わせ内容、オペレーターが聞き出したニーズ、クレーム、アンケート回答、メール、チャット、SNSでの言及など、顧客が企業や商品・サービスに対して発する意見や感想のすべてが含まれます。VOCを分析・活用することで、サービスの開発・改善や顧客満足度の向上に役立ちます。

FAQ (Frequently Asked Questions)

お客様から頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめたものです。お客様自身で問題を解決できるように、また、コールセンターの担当者が迅速かつ的確に対応できるために作成されます。頻繁に寄せられる質問とその回答をFAQとして蓄積・公開することで、顧客満足度の向上やオペレーターの負担軽減に繋がります。

CTI(Computer Telephony Integration)

電話やfaxなどの通信手段とコンピューターを連携させる技術のことです。お客様からの電話着信時、お客様情報をコンピューター画面に表示したり、その情報に基づいて適切な担当者に電話を転送したりするなど、様々な機能があります。

PBX (Private Branch Exchange)

企業やオフィス内で外部の電話回線と内線電話機を接続・交換し、内線同士の通話を可能にする装置です。近年はインターネット回線のみで利用できるクラウドPBXやIPネットワークを使用したIP-PBXが普及しています。

ACD (Automatic Call Distributor)

顧客からの電話着信を、あらかじめ設定されたルールに基づいて適切なオペレーターに自動的に分配するシステムです。オペレーターのスキルに合わせて適切な顧客に着信を分配したり、オペレーターの負荷を均等にするように着信を分配させることが可能となる機能です。

IVR (Interactive Voice Response)

顧客からの電話着信に対し、音声ガイダンスを用いて自動的に応答するシステムです。あらかじめ録音された音声ガイダンスを再生し、お客様に情報を提供したり、問い合わせ内容を選択させることができます。問い合わせ内容に応じて適切な部署やオペレーターに振り分けます。24時間365日対応可能であり、顧客を待たせる時間を短縮することで、顧客満足度の向上が期待できます。

KPI (Key Performance Indicator)

重要業績評価指標といい、組織や個人の目標達成度を測るための定量的な指標のことです。コールセンターでは応答率、平均処理時間、顧客満足度などがKPIとして設定されています。

SL (Service Level)

サービスレベルとはお客様からの問い合わせに対して、どれだけ迅速かつ適切に対応できているかを測るための指標のことです。一般的には「一定時間内に対応できたコールの割合」として定義され、コールセンター運営において非常に重要な要素の一つです。

応答率

お客様からの着信数(電話の数)に対して、オペレーターが対応できた割合を指します。以下の計算式で算出されます。

応答率 = (対応件数 / 着信件数)× 100

100件の着信があり、80件に対応できた場合、応答率は80%となります。業種やコールセンターの規模、顧客層などによって適切な値は異なりますが、一般的に、コールセンターの応答率の目標値は80%以上とされています。高い応答率は、顧客満足度向上や機会損失の防止に繋がります。

稼働率

オペレーターが業務時間中に実際に顧客対応や業務に関連する作業に費やした時間の割合を指します。高い稼働率は、オペレーターが効率的に業務を遂行できていることを示し、人件費などのコスト削減にも繋がります。稼働率は以下の式で算出されます。

稼働率 = (業務時間※1 + 待機時間※2) / 総業務時間※3 × 100%

  ※1 業務時間: 顧客対応や事務処理など、実際に業務を行っている時間

  ※2 待機時間: 電話が鳴るのを待っている時間や、次の業務までの待ち時間

  ※3 総業務時間: 勤務時間全体

放棄呼(ほうきこ)

顧客が電話をかけたものの、オペレーターに繋がる前に電話を切ってしまったコールのことを指します。発生原因は様々ですが、待ち時間の長さや回線混雑、IVRの複雑さが主な理由として挙げられます。放棄呼率を下げることはコールセンターにおいて重要な課題です。

平均処理時間 (AHT: Average Handling Time)

オペレーターが1件の問い合わせに対応するのに要する平均時間のことです。AHTは通話時間、保留時間、後処理時間の3つの要素で構成されます。AHTは以下の計算式で算出されます。

AHT = (通話時間の合計 + 保留時間の合計 + 後処理時間の合計) / 対応件数

AHTが短いほど、より多くの顧客に対応でき、人件費などのコスト削減にも繋がります。また、顧客満足度にも影響を与えます。一般的に、待ち時間が短いほど顧客満足度は高くなる傾向があります。

トークスクリプト

オペレーターが電話対応で使用する会話の流れや内容を定めた台本のことです。品質の均一化や対応時間の短縮、新人教育に役立ちます。

モニタリング

オペレーターの電話対応品質を評価・改善するために行われる一連のプロセスのことです。オペレーターの通話を監督者が聞き、対応品質を評価します。オペレーターの対応品質を向上させることで、顧客満足度を高めたり、モニタリング結果から課題を特定し、業務プロセスやシステムを改善する目的で行われます。

コーチング

モニタリング結果に基づき、オペレーターの成長を支援し、パフォーマンスを向上させるための取り組みのことです。コーチングの主な目的はオペレーターのスキルアップやパフォーマンスの向上です。実務を通して行われるOJT(On-the-Job-Training)やオペレーター1人に対して、個別に行われるマンツーマンコーチングなどの指導方法があります。

品質評価

通話内容や対応履歴などを客観的に評価し、サービス品質を維持・向上させる取り組みを指します。品質評価は、通話録音の確認やリアルタイムモニタリング、覆面調査などの方法で行われ、言葉遣いや聞き取り、共感性などの項目が評価されます。

 

 

まとめ

本コラムでは、コールセンター運営において頻繁に利用される専門用語について解説しました。これらの用語を理解することは、オペレーター、スーパーバイザー、マネージャーなど、コールセンターに関わる全ての人々にとって、日々の業務を円滑に進める上で不可欠です。このコラムがコールセンターに関わる全ての人々の知識向上に貢献できれば幸いです。今後も皆様の業務の一助となるような情報発信を続けて参ります。

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